2024/09/17
信頼性を担保する制御盤設計のポイント
制御盤は、配電盤から受け取った電気を制御して各種機械・設備を仕様通りに動作させるために電気制御を行うものです。このように重要な役割を担うため、制御盤設計においては、信頼性が非常に求められます。そこで、当記事では信頼性を担保する制御盤設計のポイントをご紹介します。
ポイント①:制御盤の用途・使用環境を確認する
制御盤を設計する際、まず考慮すべきはその用途と使用環境です。用途と使用環境に応じて、制御盤設計における重要な要件を確認していきます。用途・使用環境から確認・把握する要件としては下記などが挙げられます。
・周囲温度:動作する温度を想定して部品を選定する。それでも難しい場合は、冷却方式を検討する。
・屋内/屋外:屋外で使用する場合は、防水・遮熱を考慮した製品設計とする。
・耐震/緩衝:重要な部分を免振構造とするよう設計を行う。
・ケーブルの引込み口:設置しやすいように引き込み口を最適な面に設定する。
ポイント②:ディレーティングを意識する
ご存知の通り、ディレーティングとは部品を定格値よりも余裕を持って使用する設計手法です。制御盤設計においては、部品により異なりますが、一般的には定格の80%以下で動作するように選定することが推奨されます。これにより、熱の発生を抑え、重大な故障のリスクを減らすことが可能です。特に、電源・リレー・接点などの部品は過負荷がかかりやすいため、注意が必要です。
ポイント③:熱対策を徹底する
制御盤の品質を担保する上で、非常に重要なことが発熱への対策です。発熱対策を適切に行った上で設計を行わないと、制御盤のトラブル頻発にもつながりかねません。発熱対策としては、主に下記の2点に注意が必要です。
①部品配置
熱を多く発生する部品は、制御盤の上部や熱がこもりやすい場所に配置しないように注意します。また、温度が上がりやすい部品同士を離して配置することで、冷却効果を高めることができます。
②冷却方法の検討
必要に応じて、ファンやヒートシンク、クーラーユニットなどの冷却システムを導入します。これにより、制御盤内の温度を適切に管理し、部品の長寿命化を図ることができます。
ポイント④:ノイズ対策を考慮する
制御盤の安定的な稼働を実現するために、欠かせないのがノイズ対策です。ノイズ対策が適切に施せていないと、制御盤の誤作動や故障につながりかねません。例えば、配線設計では、下記などに注意が必要です。
・シールド線
・ツイスト
・電源ライン、制御ライン、電圧のグループ化
・ノイズフィルタの適用
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制御盤設計においては、用途や使用環境の確認、ディレーティングの実施、熱対策、ノイズ対策など、さまざまな要素を考慮する必要があります。これらのポイントを押さえた設計を行うことで、信頼性の高い制御盤を実現し、長期間にわたって安定した運用を可能にします。
高品質な制御盤を設計するためには、細部にまで配慮した設計が欠かせません。各ポイントをしっかりと検討することが、信頼性の高い制御盤づくりにつながります。